遺言って必要?

そもそも、遺言って必要なの?

財産はないから、私には遺言なんて必要ない、と思っている方は多いと思います。

しかし、遺産相続の話合いがまとまらず、家庭裁判所に遺産分割調停が申し立てられた事件の内訳をみてみると、実に、8割近くが相続税のかからない遺産でもめているのです。

相続税の基礎控除額(2012年現在)は5000万円+(法定相続人×1000万円)が基本ですから、5000万円以下であれば相続税はかからないはずです。実際、相続税が生じるのは相続全体の4%ぐらいにすぎません。むしろ、この層の方は相続税に備えて、税理士に相談するなどして相続対策をしっかりされているのが現状です。

家庭裁判所における遺産分割調停件数は年間8000件と、死亡者数約100万人(2010年統計60歳以上)に対し、1%にも満ちませんが、家庭裁判所に持ち込まれるのは、相続人間の話し合いではにっちもさっちもいかなくなった最悪のケースだと言えます。家庭裁判所までに持ち込むには至らずとも、大なり小なり相続に際して争いがおきているのは、想像にかたくありません。

右肩上がりの経済成長期とは異なり、相続人となる子供世代は、景気が低迷し、給料は上がらず、年金ももらえるか不安な、先行きの見えない中にいます。日本では、シニア世代に富が蓄積されていますので、親の財産をあてにしている子供たち(相続人ら)も多いのです。それは、相続財産の過多にかかわりません。むしろ、分けあう対象が限られているほど、争いが生じる可能性は高くなるのが現状です。

自分が築いた財産や受け継いできた財産を、誰に、どのように託すのかを検討することは、残される方々のためにも必要ですし、むしろ、義務ではないでしょうか。

遺言は、その結果を実現する唯一の法的効力を有する手段です。

 

 

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